未経験でもWebデザイナーに転職するために必要なスキルや資格は?
未経験でもWebデザイナーに転職するためには、企業が求めるスキルを身につけておくことが役立ちます。IllustratorやPhotoshopのスキルに加えて、取得しておけば、有利な資格を紹介します。
WebデザイナーにIllustratorとPhotoshopのスキルは必須!
Webデザインというと、Webサイトのビジュアルデザインのことを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。Webデザイナーの仕事では、ビジュアルデザインを行うためのソフトウェアのスキルは必須です。中でもAdobe IllustratorとAdobe Photoshopを使いこなすスキルは、Web開発の現場においては必ずと言って良いほど必要とされているスキルです。これらはとても有名なソフトですので、名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。
Illustratorは、ベクター形式で画像を扱うアプリケーションです。ベクター形式で作成したグラフィックスは、拡大しても画像が荒れないのが特徴です。Web開発の現場ではWebサイトのデザインを作成するほか、ロゴの作成やキャラクターデザインなどにも利用されています。
Photoshopは、ビットマップ形式で画像を編集するアプリケーションです。Webサイトのデザインを作成するときに良く使用されています。また、色彩を調節したりぼかし(ボケ)を入れたりするのが得意なため、写真を加工する目的でも多く利用されています。
IllustratorもPhotoshopも初心者向けの書籍が多く出版されていますので、ソフトさえ手に入れれば独学でスキルを習得することも可能でしょう。しかし全くの未経験から勉強を始めるなら、スクール利用がおすすめです。IllustratorとPhotoshopの販売元であるアドビ(Adobe)の「アドビスクールパートナー」プログラムに加盟しているスクールなら、社会人でも学割相当でIllustratorとPhotoshopを利用することができます。
スクール利用には、講師に教えてもらいながら効率よく学習を進められるというメリットもあります。働きながら時間を確保してスキルを習得するには、この点は重要になってくるでしょう。スクールによっては通信講座を用意しているところもあります。ご自分のスタイルにあった学習方法を検討してみると良いでしょう。
デザインだけじゃダメ?Web技術を使いこなせる人材が有利!
近年、Web技術は非常に多くの分野で活用されています。パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット端末、テレビやカーナビなど様々なハードウェアで利用されています。コンテンツ制作の技術としても、ウェブサイトに限らずアプリケーションや電子書籍、ゲームなどの制作にも使われています。Web技術の活用範囲は、今後も益々広がっていくでしょう。
このような背景から、Webデザイナーの求人ではビジュアルデザインのスキルだけでなく、Webサイト構築の技術的な部分まで使いこなせる人材を求める企業が多くなってきています。一方で、実務経験がない人材は企業としても採用しづらいという一面もあります。
Web技術者としてのスキルを身につけるには、これに関する資格取得を目指して学習するのが早道です。Web技術に関する資格で有名なものとしては、「HTML5プロフェッショナル認定資格」と「ウェブデザイン技能検定」があります。ビジュアルデザインのスキルとともに、このような資格を取得しておけば、転職の際に有利になるのは間違いないでしょう。資格取得のための学習は決して簡単ではありませんが、実務経験がなくても転職の際には大きなアピールポイントとなるはずです。
HTML5プロフェッショナル認定資格
「HTML5プロフェッショナル認定資格」は、NPO法人LPI-Japanが実施する認定試験です。「HTML5プロフェッショナル認定資格」には「Level.1」と「Level.2」があり、「Level.2」の方が上位の資格です。どちらも受験資格は特にありませんが、Level.2の認定を受けるには、Level.1の認定も受けている必要があります。
Level.1の出題範囲は、HTMLとCSSが中心のいわゆる「静的Webサイト」を作るために十分な知識です。スマートフォンの小さな画面からパソコンの大画面までを同時にサポートできる「レスポンシブWebデザイン」も出題範囲に含まれます。これらの知識があれば、CMSなどに頼らなくても自分でウェブサイトを作れる技術を持っているという証明になります。
Level.2の出題範囲は、JavaScriptに関連する様々な知識を網羅しています。いわゆる「動的Webサイト」を作るスキルが求められます。ページ内のコンテンツを動的に差し替えたり、グラフィックスやデータ保存、通信のほか、スマートフォンのGPSや加速度センサーなどへのアクセスも扱います。Webアプリケーションとして便利なツールやゲームまで作れてしまう知識です。
HTMLはWeb技術を支える基本技術のひとつですが、その最新世代の技術であるHTML5はまだまだ使いこなせる人材が不足しているのが現状です。この資格を取得しておけば、最新のHTMLのスキルを有していることを客観的に証明することができます。他業種からの転職の際にも、企業からの信頼を得ることができるでしょう。
この資格取得にあたっては、学習用の書籍も出版されていますが決して簡単な内容ではありません。特に他業種からの転職を考えている方にとっては、書籍だけでは思うように勉強が進まないということもあるかもしれません。確実にこの資格を取得するためには、LPI-Japanが定めた学習環境基準をクリアしている「HTML5アカデミック認定校」の中からスクールを選んで勉強するのがおすすめです。このようなスクールでは認定試験の受験料が割引になる場合もありますので、ぜひチェックしてみてください。
なお、この試験は認定日から5年間が有効期間になっています。Web技術は変化が早いので、常に最新技術を有している証しとしてこのような有効期間が設けられています。Level.1の認定を取得したら、続けてLevel.2の認定も取得しておくと良いでしょう。
ウェブデザイン技能検定
「ウェブデザイン技能検定」は、厚生労働省の認定により「インターネットスキル認定普及協会」が実施している試験です。名前からついビジュアルデザインの資格かと思いがちですが、WebデザイナーというよりはWeb技術者としての資格です。合格すると「ウェブデザイン技能士」という国家資格が得られます。この資格は、現在Web業界で唯一の国家資格です。
「ウェブデザイン技能検定」は「学科試験」、「実技試験」の2部構成になっています。1級から3級までがあり1級が最も上位の資格です。3級は誰でも受験することができますので、まずは3級合格を目指して学習してみてください。2級と1級を受験するには、実務経験などの条件が必要です(詳しい受験資格はホームページでご確認ください)。「HTML5プロフェッショナル認定資格」がHTMLとその周辺技術に特化しているのに対し、「ウェブデザイン技能検定」ではさらに幅広い知識が求められます。
出題範囲は、ビジュアルデザインのほかにネットワーク技術、セキュリティ、インターネットに関連する法令等、HTMLタグやスタイルシートやスクリプトといったWeb技術の知識、サーバーサイドアプリケーション、ユーザーインターフェイスとユーザビリティ、マルチメディア、Webサイトの設計と構築、さらに更新やパフォーマンスチューニングまで含みます。
資格取得のための書籍も出版されていますが、学習範囲がたいへん広く実技試験も行われるので未経験からチャレンジするのは独学ではなかなか難しいかもしれません。資格取得にあたってはスクール利用を検討してみるのが良いでしょう。「インターネットスキル認定普及協会」に加盟しているスクールで学習するのが試験対策としてはより確実です。
資格取得でスキルを証明すれば転職活動がもっと有利に
未経験でもWebデザイナーに転職するためには、企業が求めるスキルを身につけておくことが役立つということを紹介してきました。IllustratorやPhotoshopのスキルに加えて、HTML5プロフェッショナル認定資格やウェブデザイン技能検定の資格を取得しておけば、確かな技術力を備えたWeb技術者であることの証明になります。スクール利用も視野に入れて必要なスキルを身につけてください。